人工関節置換術-最新の知見
手術手技 特徴あるアプローチ 横皮切を用いた人工膝関節全置換術
尾島 朋宏
1
,
吉村 光生
,
茂住 宜弘
,
伊藤 貴明
,
田中 一範
,
林 正岳
1福井総合病院 整形外科
キーワード:
関節疾患
,
膝関節
,
失血-外科
,
治療成績
,
補綴関連感染症
,
膝関節置換術
,
手術時間
,
皮膚切開
Keyword:
Joint Diseases
,
Knee Joint
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Prosthesis-Related Infections
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Operative Time
pp.71-73
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270801
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横皮切で人工膝関節全置換術(TKA)を安全に行うことができれば術後の創瘢痕が減少して患者満足度が向上すると考え、初回TKA 101膝のうち40膝は縦皮切で、61膝は横皮切で手術を行った。横皮切は90°膝屈曲位で膝蓋骨下縁のレベルで行い、関節切開は両皮切とも内側傍膝蓋で行った結果、両群の手術時間、出血量、合併症、術後1年でのKnee society scoreに有意な群間差はなく、創合併症の頻度も同等であった。また、創の長さは両皮切とも約15cmで差はなかったが、横皮切では創の最大幅、Manchester scar scaleが有意に小さく、術後1年における典型的な創の状態は有意に綺麗であった。横皮切によるTKAは、縦皮切と同様の展開が可能で手術の安全性や容易さに問題はなく、術後創瘢痕については縦皮切よりも有利と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014