臨床経験
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌人工血管感染に対するrifampicin浸漬人工血管再置換術
橋詰 浩二
1
,
谷口 真一郎
,
松丸 一朗
,
中路 俊
,
住 瑞木
,
江石 清行
1長崎みなとメディカルセンター市民病院 心臓血管外科
キーワード:
Povidone-Iodine
,
Rifampicin
,
再手術
,
浸漬
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
ブドウ球菌感染症
,
補綴関連感染症
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Linezolid
,
生理食塩水
,
大動脈置換術
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
胸部CT
,
PET-CT検査
Keyword:
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
Linezolid
,
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Immersion
,
Rifampin
,
Povidone-Iodine
,
Staphylococcal Infections
,
Reoperation
,
Prosthesis-Related Infections
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
pp.837-841
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017398765
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68歳女性。胸痛と心肺停止状態を主訴とした。Stanford A型急性大動脈解離および心タンポナーデと診断し、26mm Triplexを用いた上行大動脈置換術を施行した。術後、40℃の発熱と創部からの排膿を認め、血液検査でMRSAが検出された。造影CTで人工血管周囲に膿瘍腔を認め、PET-CTで胸骨と上行の大動脈の人工血管部に一致して円筒状のFDGの強い集積を認めた。MRSAによる人工血管感染と診断し、初回手術後5ヵ月にrifampicin(RFP)浸積人工血管を用いた再置換術を行った。術後はpovidone-iodine含有生理食塩水を用いた持続洗浄を行った。抗生物質はVCM/LZDを経静脈的に投与し、その後はRFPおよびST合剤の経口抗菌薬に変更した。再手術後、解熱し、炎症所見が陰性化した。再手術後60日に退院となり、再手術後5年の現在まで感染の再燃を認めていない。
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