発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039470
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60歳女.左膝不安定感,左膝関節痛を主訴とした.左膝関節痛で近医を受診し,人工膝関節全置換術(TKA)を施行された.退院翌日,転倒し,膝関節脱臼と診断された.ギプス固定の後,二度靱帯再建術が施行されたが,再び外反変形が生じ,主訴が増強した.外反ストレスで顕著な外反動揺性がみられ,歩行困難もきたしていた.TKAにより再置換術を選択し,外反動揺性は消失した.術後30日に軽快退院したが,術後8ヵ月,左脛骨粗面の約3cm遠位に瘻孔を認め,排膿があり,感染が疑われた.感染は関節内には及んでおらず,人工関節のコンポーネントの弛み等はみられなかった.抗生物質投与では軽快せず,病巣を掻爬した.起炎菌は黄色ブドウ球菌であった.約40日後,CRPの急上昇,関節の腫脹,疼痛が再発し,関節内への感染の進行が疑われ,病巣掻爬,持続洗浄を施行した.感染は沈静化し,自由歩行可能な状態となっていたが,腰椎に感染が出現し,抗生物質の内服を継続している
©Nankodo Co., Ltd., 2004