骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
骨盤、その他の部位の骨折の病態・診断・治療 非外傷性の高齢者踵骨骨折の発生頻度に関する調査・検討
野坂 光司
1
,
木村 善明
,
柏倉 剛
,
櫻場 乾
,
宮腰 尚久
,
島田 洋一
1秋田市立秋田総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨折-自然
,
MRI
,
踵骨骨折
,
骨密度維持剤
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Fractures, Spontaneous
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Bone Density Conservation Agents
,
Osteoporotic Fractures
pp.186-188
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139415
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踵骨・踵骨周辺部の疼痛で受診し踵骨X線撮影を行った60歳以上の71例(男28例、女43例、平均71.2歳)のうち、7例(全女)に非外傷性踵骨骨折を認め、発生頻度は9.9%であった。骨折例はいずれも独歩で受診しており、独歩受診38例では発生頻度18.4%であった。骨折7例において、関節リウマチなどの基礎疾患や骨脆弱性を惹起する既往歴はなく、軽微な外傷などの誘因も認めなかった。疼痛出現から初診までは平均20.1日で、X線のみで診断できたのは4例、初診時X線で既に骨硬化像を認めたのは2例、ペースメーカーのためMRIを施行できなかったのは2例、X線のみで診断できずMRIで確定診断が3例であった。受傷後に骨密度検査を行った3例は若年成人平均値の48.8%で、いずれも骨粗鬆症治療薬を開始していた。全例外来で保存的治療を行い、ギプス包帯による外固定が5例で、平均20.4日行った。症状出現から消失までは平均30.4日で、全例経過良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011