臨床室
両踵骨不全骨折を契機に診断されたアデホビルピボキシルによる骨軟化症の1例
柳橋 淳子
1
,
佐藤 健二
,
阿部 哲士
,
時崎 暢
,
河野 博隆
1深谷中央病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肝炎-B型
,
骨折-自然
,
骨軟化症
,
MRI
,
腎臓疾患
,
鑑別診断
,
経口投与
,
放射性核種イメージング
,
低リン酸血症
,
踵骨骨折
,
Alfacalcidol
,
Sodium Phosphate
,
Adefovir Dipivoxil
Keyword:
Administration, Oral
,
Diagnosis, Differential
,
Fractures, Spontaneous
,
Hepatitis B
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Kidney Diseases
,
Osteomalacia
,
Radiography
,
Radionuclide Imaging
,
Hypophosphatemia
,
Alfacalcidol
,
Sodium Phosphate
,
Adefovir Dipivoxil
pp.649-653
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017388800
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44歳男性。B型肝炎に対して2012年からラミブジン、アデホビルピボキシル(ADV)を内服していた。今回、両踵部痛、右股関節痛を主訴に前医を受診し、転移性骨腫瘍を疑われ、当院へ紹介となった。初診時、単純X線およびMRIでは両踵骨不全骨折が認められ、骨シンチでは複数の肋骨、右坐骨、両大腿骨近位部・遠位部、両踵骨部に集積の亢進がみられた。その後の諸検査・病歴からADVによる薬剤性低リン血症、腎機能障害、骨軟化症による多発脆弱性骨折の診断が確定し、ADV投与を中止し、リン酸二水素ナトリウム一水和物、無水リン酸水素二ナトリウム、アルファカルシドールの投与を開始した。ADV休薬後約3ヵ月で疼痛は消失し、10ヵ月経過現在、腎機能、血清リン値は改善傾向にある。
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