骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
骨盤、その他の部位の骨折の病態・診断・治療 妊娠後骨粗鬆症における骨代謝状態
上村 幹男
1
,
内山 茂晴
,
池上 章太
,
向山 啓二郎
,
外立 裕之
,
加藤 博之
1骨粗鬆症・脊椎疾患センターかみむらクリニック
キーワード:
Alkaline Phosphatase
,
Cholecalciferol
,
骨粗鬆症
,
妊娠合併症
,
骨組織リモデリング
,
Vitamin K2
,
NTx Telopeptide
,
Undercarboxylated Osteocalcin
Keyword:
Alkaline Phosphatase
,
Cholecalciferol
,
Osteoporosis
,
Pregnancy Complications
,
Bone Remodeling
,
Vitamin K 2
,
Collagen Type I Trimeric Cross-Linked Peptide
pp.189-192
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139416
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妊娠後骨粗鬆症と診断した3例(症例1:30歳、症例2:37歳、症例3:30歳)を提示し、骨代謝状態について検討した。全例初産で発症時期は出産後2~8ヵ月であり、いずれも授乳を行っていた。症例1と2は脊椎骨折、症例3は肋骨骨折を認め、骨密度は非常に低値であった。過度のダイエットの既往、生理などの問題はなかった。Ca、Pなど一般生化学検査、尿検査に異常はなく、1-25(OH)2ビタミンD3は全例正常値であった。25(OH)ビタミンD3も測定した2例は正常で、ビタミンD不足は認めなかった。骨代謝マーカーは脊椎骨折の2例で亢進していた。活性型ビタミンDとビタミンK2による治療を行ったが、症例1では骨代謝の亢進状態が継続した。特徴的な点として、全ての症例で低カルボキシル化オステオカルシンが高いことが挙げられ、特に症例1は28.1ng/mlと著明に上昇していた。治療後1年以上経過した2例では著明な骨密度上昇が認められた。
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