骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
骨粗鬆症の病態と転帰 転帰、生命予後、ADL、QOL 高齢者両側大腿骨近位部骨折の死亡率と骨粗鬆症治療薬投与率の検討
野坂 光司
1
,
木村 善明
,
柏倉 剛
,
櫻場 乾
,
宮腰 尚久
,
島田 洋一
1秋田市立秋田総合病院 整形外科
キーワード:
Cholecalciferol
,
Diphosphonates
,
Vitamin D
,
股関節部骨折
,
骨粗鬆症
,
死亡率
,
生活の質
,
大腿骨頸部骨折
,
日常生活活動
,
骨密度維持剤
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Cholecalciferol
,
Femoral Neck Fractures
,
Diphosphonates
,
Hip Fractures
,
Mortality
,
Osteoporosis
,
Quality of Life
,
Vitamin D
,
Bone Density Conservation Agents
,
Osteoporotic Fractures
pp.13-16
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139386
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治療を行った高齢者大腿骨近位部骨折186例(全男44例、女142例、平均79.6歳)の経過を報告した。手術施行は173例、非手術13例で、片側171例、両側15例であった。両側群の対側骨折までの期間は平均2.5年で、骨折型は同型が73.3%、非外傷性脆弱性骨折は13.3%、認知症有病率53.3%であった。両側群の対側骨折後歩行能力は寝たきり4例、車椅子7例、補助具歩行2例、独歩2例であった。受傷後の骨密度検査施行率は片側群20.5%、両側群13.3%、骨代謝マーカー検査はそれぞれ9.9%、13.3%であった。骨粗鬆症治療薬投与率は、受傷前が片側群7.6%、両側群6.7%、術後がそれぞれ26.3%、13.3%と有意差はなかった。術後死亡率は片側群9.9%、両側群26.7%と有意差を認め、片側群の死因は悪性腫瘍7例、肺炎4例、心不全2例、肝疾患2例、脳血管疾患1例、老衰1例、両側群は肺炎2例、悪性腫瘍1例、心不全1例であった。死亡例の骨粗鬆症治療薬投与率は両群とも0%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011