骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
診断・スクリーニング 尿中ペントシジン高値例における骨折の発生頻度
野坂 光司
1
,
木村 善明
,
柏倉 剛
,
櫻場 乾
,
宮腰 尚久
,
島田 洋一
1秋田市立秋田総合病院 整形外科
キーワード:
骨折
,
骨粗鬆症
,
骨折-骨粗鬆症性
,
Pentosidine
Keyword:
Osteoporosis
,
Fractures, Bone
,
Osteoporotic Fractures
,
Pentosidine
pp.37-39
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139390
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骨密度および尿中ペントシジンの測定を行った137例を対象に、骨粗鬆症性骨折発生との関係について検討した。尿中ペントシジンの基準値上限(0.0701μg/mg・Cre)を超える高値群は43例(男12例、女31例、平均78.2歳)、正常群が94例(平均71.2歳)であった。高値群において骨粗鬆症骨折は36例(男8例、女28例、平均78.6歳)に認め、部位は椎体17例、非椎体19例で、非椎体骨折の内訳は恥骨・坐骨2例、大腿骨近位部8例、大腿骨顆上1例、上腕骨近位端3例、橈骨遠位端5例であった。36例中33例には既往歴を含め複数ヶ所の骨粗鬆症性骨折を経験していた。高値群の骨折群の骨密度若年成人平均値(YAM)は平均57.1%で、70%以上の骨質劣化型骨粗鬆症は8例であった。なお正常群の骨折群の骨密度YAMは59.4%、非骨折群は65.0%、高値群の非骨折群は58.1%であった。尿中ペントシジンは骨粗鬆症性骨折の予測マーカーとして有用と考えられた。
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