人工関節置換術-最新の知見
手術手技 筋肉切離を最小限にした手術 筋腱完全温存による最小侵襲人工股関節全置換術 術後MRIによる股関節周囲筋の検討
井坪 広樹
1
,
湯朝 信博
,
橋場 伸一郎
,
岡部 高弘
,
北原 洋
,
伊藤 知之
,
遠藤 直人
1板橋中央総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
股関節
,
MRI
,
大腿筋
,
変形性股関節症
,
最小侵襲手術
,
股関節置換術
,
内閉鎖筋
,
梨状筋
Keyword:
Hip Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Osteoarthritis, Hip
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.103-106
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270809
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仰臥位前外側筋間進入による最小侵襲人工股関節全置換術(MIS-THA)を行った変形性股関節症12例14関節について、術前と術後3ヵ月以上経過時点のMRI T1強調画像を比較し、股関節周囲筋が画像上温存されているか検討した。対象は中臀筋、小臀筋、梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋であり、術前後の面積から萎縮の有無を評価した結果、中臀筋、梨状筋、外閉鎖筋は全て描出され、MIS-THAを行った全例で筋萎縮を認めなかった。内閉鎖筋では完全温存例に筋萎縮を認めなかったが、共通腱の部分切離を行った3関節に軽度筋萎縮を、術後大転子裂離骨折を生じた1例では中等度筋萎縮を認めており、小臀筋では術中所見に記載のない萎縮が1例に認められた。筋腱付着部の温存は有意義な手術手技と考えられ、術後のMRI T1強調画像を評価することで、筋腱切離を推定・判断できることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014