発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140038
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1998年以降,背側プレートを用いて治療した橈骨遠位端骨折35例36手関節を対象とし,手術成績と問題点を検討した.対象は男9例,女26例,平均年齢57.5歳,AOの分類による骨折型はtypeA2:5例,typeA3:9例,typeC1:5例,typeC2:12例,typeC3:5例であった.全例にACE Symmerty橈骨遠位部背側用プレートを用いた整復固定を行い,X線学的評価と機能評価を行った結果,いずれも骨癒合が得られ,術後のcorrection loss,機能評価,早期可動域(ROM),握力は良好で早期からのROM訓練が可能となったが,合併症として長母指伸筋腱断裂1例,橈骨短縮2例を認めた.現在,遠位骨片に対しては伸筋腱との干渉を避けるために,1本ないし2本のスクリュー固定とし,背側骨皮質の粉砕した症例,骨粗鬆症患者では骨欠損部や空洞状の骨幹部に十分なリン酸カルシウムペーストを充填するなどの工夫を行っている.橈骨遠位端骨折に対する背側プレート固定は有用な治療手段と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005