肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
その他 骨端症 器械体操選手に発生した上腕骨大結節骨端症
佐原 亘
1
,
米田 稔
,
山田 真一
1大阪厚生年金病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節
,
MRI
,
上腕骨
,
スポーツ障害
,
体操
,
三次元イメージング
,
骨端症
,
MPR (Multiplanar Reconstruction)
,
骨穿孔法
Keyword:
Athletic Injuries
,
Humerus
,
Gymnastics
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Shoulder Joint
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Osteochondrosis
pp.215-220
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097721
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体操選手に発生した過去に報告のない上腕骨大結節骨端症の1例を経験した。患者は初診時18歳の男性で、5歳頃から器械体操を始め、全国高校体操選抜大会で個人総合2位の成績を収めている。16歳のときから吊り輪でぶら下がったり十字懸垂などで外転位を保持した際に左肩関節痛を自覚するようになった。その後、電車の吊り革を持つなど日常生活での挙上動作でも痛みを覚えるようになった。練習量を減らすなどして競技を続けていたが、痛みが増強したため近医受診し、X線検査で上腕骨大結節部の遊離骨片を指摘され当科に紹介された。諸検査により腱板関節包面不全断裂および上腕骨大結節骨端症と診断し、関節鏡視下手術を施行した。術式は骨穿孔術を選択し、腱板を温存しながら遊離骨片の骨癒合を獲得させることができた。本術式を選択した理由は、若年であるため骨髄血が遊離骨片へ誘導され、骨修復機転が働いて骨癒合が得られると考えたからである。
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