発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011338930
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60歳女。19歳時に先天性無フィブリノゲン血症と診断され、フィブリノゲン製剤の補充を受けていた。今回、階段から転落し、X線で骨頭が後下方に転位する上腕骨近位部の粉砕骨折を認めた。3-D CTでは、骨頭が大きく転位した4 part骨折であった。上腕骨近位部骨折と診断して受傷後17日に手術を行い、手術に際しては術前に血漿フィブリノゲン製剤の投与を行い半減期を確認し、術中は血漿フィブリノゲン値が100~150mg/dl以上となるよう製剤を投与した。通常の肩関節前方アプローチでセメントレス人工骨頭置換術を行い、術後経過は良好で、術後1年の現在、X線上明らかな弛みは認めず、可動域は良好で疼痛もない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011