スポーツ医学
発育期の体操競技選手における腰椎椎体前方終板障害 他競技スポーツ選手との腰椎X線異常所見の比較
漆原 誠
1
,
粟飯原 孝人
,
大内 純太郎
,
畠山 健次
,
岡田 亨
1船橋整形外科病院 脊椎・脊髄センター
キーワード:
X線診断
,
スポーツ障害
,
脊椎疾患
,
体操
,
腰椎
,
運動選手
Keyword:
Athletic Injuries
,
Gymnastics
,
Lumbar Vertebrae
,
Radiography
,
Spinal Diseases
,
Athletes
pp.243-247
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014317168
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対象は腰痛を主訴に来院した体操競技選手126例(体操群:男性50例、女性76例)および体操競技以外のスポーツ選手103例(コントロール群:男性73名、女性30名)で、発育期の体操競技選手の腰椎椎体前方終板障害をX線学的所見をもとに検討を行った。受診時平均年齢は体操群15.4歳、コントロール群14.9歳であった。椎体前方に終板障害がみられた症例は、体操群25例37椎体、コントロール群2例2椎体であり、終板障害発生率は体操群が有意に高かった。罹患高位については、体操群は胸腰椎移行部が有意に高く、コントロール群では有意差を認めなかった。終板障害の病型については、体操群では陥凹型が21椎体、分離型が14椎体、圧潰型が2椎体で、陥凹型と分離型が多数を占めていたが、コントロール群においては陥凹型の2椎体のみであった。以上の所見により、椎体前方終板障害が胸腰椎移行部に多くみられる要因として、体幹の過屈曲負荷が、特に胸腰椎移行部にかかっているためと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014