発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011072009
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17歳男。器械体操で床種目の練習中、マットに着地した際に左膝関節痛を自覚した。左膝関節に腫脹・熱感・膝蓋跳動、膝くずれ・ひっかかり感があり、膝蓋大腿関節の礫音を認めた。単純X線の膝蓋骨軸射像で左大腿骨滑車部内側に周囲に骨硬化像を伴う骨透亮像と微小骨片を認め、顆間窩撮影では左大腿骨顆間窩に微小骨片を認めた。CTでは左大腿骨滑車部内側に1.6cm2の病巣を認め、MRIでT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示した。左大腿骨滑車部内側に発生した離断性骨軟骨炎と診断し、関節鏡手術を行った。顆間窩前方に遊離体を認め、大腿骨滑車部内側には軟骨の連続性がある病巣と、軟骨が剥離している病巣を認め、軟骨が剥離して線維軟骨で覆われている病巣が遊離体の母床と考えた。遊離体を摘出後、不安定性を有する骨軟骨片をポリ-L-乳酸ピンで固定し、線維軟骨で覆われている領域には骨穿孔術を行った。術後経過は良好で、術後1年の現在、X線では病巣部の修復を認めている。
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