肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 肩鎖関節脱臼 Tossy分類grade III肩鎖関節完全脱臼に対する保存的治療の成績
山本 和史
1
,
澤田 智一
,
西原 淳
,
大和 雄
,
長谷川 智彦
,
松山 幸弘
1浜松医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
質問紙法
,
肩関節
,
肩関節脱臼
,
関節可動域
,
肩鎖関節
,
疲労
,
患者の満足度
,
治療成績
Keyword:
Acromioclavicular Joint
,
Fatigue
,
Radiography
,
Surveys and Questionnaires
,
Shoulder Dislocation
,
Shoulder Joint
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Patient Satisfaction
pp.123-126
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097702
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当院と関連病院における保存的治療の成績を患者アンケートによって調査した。対象は新鮮完全脱臼患者22例(男性19例、女性3例、年齢19~79歳)で、保存的治療の方法は「三角巾のみ」が11例、「三角巾+バストバンド」が1例、「Kenny-Howard装具」が3例、「クラビクルバンドのみ」が1例、「クラビクルバンド+弾性包帯」が3例、「固定なし」が2例、「装具不明」1例であった。受傷からアンケートまでの経過期間は2~60ヵ月(平均21.2ヵ月)であった。アンケートの内容は『日本肩関節学会肩関節機能評価法』を参考に、外転可動域10点、内旋可動域10点、疼痛30点、易疲労性20点、日常生活動作20点の計90点満点とし、満足度は5段階で評価してもらった。その結果、肩関節機能の合計得点(以下;評価点)の平均は76.7点(39~90点)で、81~90点を「優」、71~80点を「良」、61~70点を「可」、60点以下を「不可」とすると、「優」「良」が17例(77%)、「可」「不可」が5例(23%)であった。満足度は、「たいへん満足している」「まあまあ満足している」が12例(55%)、「満足していない」「全然満足していない」が3例(14%)、「どちらでもない」が5例(23%)、無回答2例であった。評価点と満足度との関係について検討した結果、明らかな相関は認められなかった。
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