肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 肩鎖関節脱臼 人工靱帯を用いた烏口鎖骨靱帯再建術による肩鎖関節完全脱臼の治療成績
岡田 正人
1
,
廣村 健太郎
,
赤川 誠
,
波多野 栄重
,
前岡 勇人
,
松本 忠美
1金沢医科大学 看護学部
キーワード:
肩関節脱臼
,
肩鎖関節
,
靱帯損傷
,
治療成績
,
烏口肩峰靱帯
,
人工靱帯
,
靱帯形成術
Keyword:
Acromioclavicular Joint
,
Acromioclavicular Joint
,
Shoulder Dislocation
,
Treatment Outcome
pp.146-151
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097707
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肩鎖関節完全脱臼に対する手術法としてBosworth法やPhemister法、Neviaser法、Weaver法など様々な術式が報告されているが、その多くは術後一定期間肩関節の運動を制限する必要があり、社会復帰までの期間が長くなる傾向にある。著者らもNeviaser法やWeaver法を行い、術後4~6週間の運動制限をすることによって肩関節の拘縮が生じ、これを改善するためにリハビリが長くかかり、社会復帰までに長期を要してきた。そこで、肩関節拘縮を起こさず早期に社会復帰可能とするためには、術後の肩関節の外固定が不要で、かつ早期に肩関節の運動を開始できる手術方法を選択すべきと考え、1999年12月からTelos人工靱帯(アイメディック社)による烏口鎖骨靱帯再建術を施行するようにした。今回、その手術方法を紹介するとともに、術後1年以上経過観察しえた32例の治療成績を報告した。32例はいずれも男性、手術時年齢は18~65歳、術後観察期間は1年~10年1ヵ月であった。最終観察時のUCLAスコア(35点満点)は平均34.5点で、症例ごとにみるとexcellent(34~35点)が21例(66%)、good(29~33点)が11例(34%)であり、poor(29点未満)は1例もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010