肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 肩鎖関節脱臼 肩鎖関節脱臼Rockwood分類type IIIに対する手術方法 Cadenat変法
伊崎 輝昌
1
,
柴田 陽三
1福岡大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節脱臼
,
関節可動域
,
肩鎖関節
,
内固定法
,
骨板
,
靱帯損傷
,
治療成績
,
靱帯形成術
Keyword:
Acromioclavicular Joint
,
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Shoulder Dislocation
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.136-140
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097705
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当科では、Rockwood分類type IIIの患者で疼痛や易疲労感、整容などを理由に手術を希望する症例に対して、脱臼を肩鎖関節プレートで整復固定し、烏口肩峰靱帯の肩峰付着部を骨片付きで切離し鎖骨遠位部に移行して靱帯を再建するCadenat変法を行っている。今回、その手術手技を紹介し、抜釘術後1年以上経過観察しえた12例の治療成績を報告した。12例はいずれも男性、年齢は22~72歳で、受傷後3週間以内の新鮮例が6例、3週間以上の陳旧例が6例であった。術後観察期間は18~46ヵ月で、JOAスコアの平均値は受傷時が52.0点、抜釘時が77.0点、最終観察時が95.6点であった。JSS-ACjスコア(日本肩関節学会肩鎖関節機能評価法)の平均値は受傷時47.0点、抜釘時66.5点、最終観察時95.1点であった。新鮮群と陳旧群で臨床成績を比較すると、JOAスコア、JSS-ACjスコアとも術前には新鮮群が有意に低値であったが、抜釘時・最終観察時には有意差を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010