肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 肩鎖関節脱臼 陳旧性肩鎖関節脱臼に対するCadenat変法の治療成績
菊川 和彦
1
,
高沢 皓文
,
奥平 信義
,
山本 進
1マツダ病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節脱臼
,
関節可動域
,
肩鎖関節
,
靱帯損傷
,
治療成績
,
烏口肩峰靱帯
,
靱帯形成術
Keyword:
Acromioclavicular Joint
,
Acromioclavicular Joint
,
Radiography
,
Shoulder Dislocation
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.141-145
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097706
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症状を有する陳旧性肩鎖関節脱臼例にCadenat変法を施行し術後2年以上観察しえた9例の治療成績を報告した。全例男性、手術時年齢は26~74歳で、いずれも他院で保存的治療を受けた後に陳旧例となった患者であった。症状は挙上時の疼痛を全例に認め、可動域制限を7例、肩鎖関節部の異常可動性を6例に認めた。術前のX線像では全例が完全脱臼位を呈していた。臨床成績の評価には日本肩関節学会肩鎖関節機能評価法(JSS肩鎖スコア)を用い、総合得点の平均は術前65.2点から術後93.2点に上昇した。術後のX線像では、全例脱臼は認めず、術前に肩鎖関節部の異常可動性を示した症例では全例安定化していた。代表例1例を提示した。
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