肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 鎖骨骨折 人工靱帯を用いた円錐靱帯再建術によるNeer分類type II鎖骨遠位端骨折の治療成績
岡田 正人
1
,
赤川 誠
,
波多野 栄重
,
廣村 健太郎
,
前岡 勇人
,
松本 忠美
1金沢医科大学 看護学部
キーワード:
X線診断
,
靱帯損傷
,
治療成績
,
鎖骨骨折
,
人工靱帯
,
靱帯形成術
Keyword:
Radiography
,
Treatment Outcome
pp.90-95
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097696
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Neerは鎖骨遠位端骨折をtype I~IIIに分類し、type Iは円錐靱帯の断裂を伴わないもの、type IIは円錐靱帯の断裂があるものと定義した。安定型骨折であるtype Iは保存的治療で良好な骨癒合が得られているが、不安定型骨折であるtype IIは保存的治療では骨癒合が得られず、手術的治療の適応となる。手術方法はKirschner鋼線固定や引き寄せ鋼線締結法、Wolterプレート固定などが行われ、一定の成績が得られているが、いずれも術後一定期間肩関節の運動を制限する必要があるため、肩関節の拘縮や疼痛が生じて就労復帰が遅れること、さらに骨癒合後に抜釘を要するなどの問題点がある。そこで著者らは、type II骨折に円錐靱帯再建術を行えばtype I骨折と同様の状態となり、肩関節の固定が不必要となるため関節の拘縮や疼痛は起こらず、良好な可動域が得られるのではないかと考え、2000年12月からTelos人工靱帯(アイメディック社)による円錐靱帯再建術を施行してきた。今回、これまでに施行した28例の治療成績を調査した結果、本法の有効性が確認された。代表例2例を提示した。
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