関節周辺骨折 最近の診断・治療
足関節、足根骨 踵骨裂離骨折に対する人工靱帯を併用した観血的整復術・内固定術の治療経験
岡田 正人
1
,
富所 潤
,
赤川 誠
,
波多野 栄重
,
廣村 健太郎
,
前岡 勇人
,
松本 忠美
1金沢医科大学 看護学部
キーワード:
関節可動域
,
内固定法
,
骨ねじ
,
靱帯
,
治療成績
,
骨折-剥離
,
踵骨骨折
,
人工靱帯
Keyword:
Fractures, Avulsion
,
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Ligaments
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.208-212
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044663
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裂離骨片が脆弱で螺子固定のみでは良好な固定性が得られないと考えられた踵骨裂離骨折4例(女・60~90歳)に対し、人工靱帯による固定と海綿骨様螺子による内固定を併用した。受傷原因は段差踏み外しによる転倒2例、歩行中の転倒1例、踵骨骨折術後の松葉杖歩行中の転倒1例であった。合併骨折は2例にみられ、1例は同側の外踝骨折と第5中足骨折、他の1例は橈骨遠位端骨折であった。手術手技は、人工靱帯を転位骨片のアキレス腱付着部に通し、転位骨片を整復・仮固定した後、踵骨隆起の下面に通してfiber wireを用いて固定する。最後に骨片を海綿骨様螺子2本で固定する。骨折型はBeavisらの分類でtype I骨折が2例、IIが2例で、全例踵骨に骨粗鬆を認めた。術後2ヵ月までに全例骨癒合が得られ、術後に骨片が転位した例や螺子の弛みを来たした例はなかった。全例独歩が可能で、足関節の可動域制限や骨折部の疼痛を認めた例はなく、感染、皮膚壊死などの合併症も認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009