上肢の外科 最近の進歩
肩関節疾患の治療 鎖骨周辺脱臼・骨折の治療 鎖骨遠位端骨折に対するScorpion Plate固定
神田 章男
1
,
金子 和夫
,
最上 敦彦
1順天堂大学医学部附属静岡病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨板
,
治療成績
,
鎖骨骨折
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Treatment Outcome
pp.29-32
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009019944
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鎖骨遠位端骨折では、近位骨片が僧帽筋により後上方へ牽引され、遠位骨片は上肢の重さにより下方へ牽引されることや、烏口鎖骨靱帯の損傷が加わると骨癒合が得られにくいことが知られている。当院では本骨折に対して2000年以降、遠位骨片をフックで把持する機構をもつScorpion Plate(アイメディック社)を用いて骨接合術を行っている。その手術手技を紹介し、2008年1月までに本法を施行した19例の成績を報告した。成績は全例で骨癒合が得られ、癒合までの期間は43~270日(平均97日)であった。生田らは、鎖骨遠位端の粉砕骨折にはScorpion Plate固定は適さないとしているが、フックを軟部組織、骨膜ごとに固定するのでほとんどの場合固定可能であり、高度な粉砕骨折例においても非吸収糸で締結するなどの工夫をすれば十分な固定力が得られると思われる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008