肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 鎖骨骨折 烏口鎖骨靱帯の解剖学的修復を主術式とする鎖骨遠位端骨折の手術法
岩部 昌平
1
1慶友整形外科病院
キーワード:
内固定法
,
骨ワイヤー
,
靱帯損傷
,
鎖骨骨折
,
スーチャーアンカー
,
烏口肩峰靱帯
,
靱帯形成術
Keyword:
Acromioclavicular Joint
,
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Internal
,
Suture Anchors
pp.85-89
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097695
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烏口鎖骨靱帯の断裂を伴った鎖骨遠位端骨折に対して、走行の異なる二つの烏口鎖骨靱帯(円錐靱帯と菱形靱帯)の修復を行う骨折治療法を考案し、28例に施行した。28例中、経過観察が可能であった19例の治療成績は、再転位で再手術となったものが1例であった。再手術例を含む18例で骨癒合が得られ、1例は偽関節となった。骨癒合期間は5~26(平均12.5)週で、12例で骨癒合までに骨折部に間隙形成や一時的な骨吸収がみられた。肩鎖関節の適合は全例良好であった。疼痛は、なし16例、軽度あり3例で、ROMは屈曲130°~180°、外旋15°~70°であった。前例が受傷前野職務や生活に復帰できていた。本例は、骨片自体の固定がむずかしい粉砕鎖骨遠位端骨折においても容易に整復保持が可能であり、ほぼ全ての骨折型に対応できる有用な術式であると思われた。症例の提示とともに術式の詳細を紹介した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010