肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 鎖骨骨折 鎖骨中1/3骨折に対する経皮ピンニングによる治療
土屋 大志
1
,
隈部 泰男
,
向藤原 由花
,
林 義一
,
勝田 康裕
,
近藤 章
,
榊原 基展
,
遠藤 浩二郎
,
西 源三郎
1愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院 整形外科
キーワード:
髄内固定法
,
骨ワイヤー
,
鎖骨骨折
Keyword:
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Intramedullary
pp.57-61
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097689
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自施設で鎖骨中1/3骨折に対して経皮的ピンニングを行った21例の手術方法と治療成績を報告した。男性18例、女性3例、年齢15~59歳、骨折型(安永による分類)は「外側寄り」11例、「内側寄り」10例であった。内固定材料は全例2.4mmのKirschner鋼線を使用した。治療成績は全例で骨癒合が得られ、癒合までに要した期間は平均2.8ヵ月であった。肩関節の軽度可動域制限を2例(9.5%)に認めたが、全例疼痛はなく、ADL制限も認めなかった。手術合併症として鋼線端の露出を1例(4.8%)に認めたが、血管損傷などの重篤な合併症はなかった。外側寄り骨折に対する手術では、Kirschner鋼線の先端を曲げ、Ender法のように髄内釘として鎖骨遠位端まで刺入することにより十分な固定性が得られた。代表例2例を提示した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010