骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その2)
上肢・体幹 鎖骨 鎖骨骨幹部骨折Robinson分類type 2B1に対する治療法の検討
澤田 貴稔
1
,
上野 幸夫
,
岡野 市郎
,
緑川 雄貴
,
松下 夏紀
,
稲垣 克記
1太田綜合病院附属太田西ノ内病院 整形外科
キーワード:
肩関節
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
骨ワイヤー
,
再手術
,
分類
,
骨折治癒
,
人工器官機能不全
,
治療成績
,
鎖骨骨折
,
手術時間
Keyword:
Bone Plates
,
Bone Wires
,
Classification
,
Fracture Fixation, Internal
,
Prosthesis Failure
,
Shoulder Joint
,
Reoperation
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Fracture Healing
,
Operative Time
pp.7-11
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017257807
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著者等はRobinson分類type2B1に対する手術方法として2009年まで逆行性Kirschner鋼線(K-wire)固定術を第一選択としていたが、本術式の問題点としてK-wireのバックアウトを認めていたため、バックアウトによる合併症を少なくする目的で2010年から順行性K-wire固定術に工夫を加えた術式を施行している。今回、2005~2009年に逆行性K-wire固定術を行った25例の治療成績を調査し、同期間にプレート固定術を行った20例の成績と比較検討した。また、2010~2014年に順行性K-wire固定術を行った20例とプレート固定術を行った23例の成績を比較検討した。結果、逆行性K-wire固定術施行群のうちバックアウトを3例(12%)に認めた。逆行性K-wire固定術群の手術時間は平均36分、骨癒合期間は平均6.3週、プレート固定術群の手術時間は平均70分、骨癒合期間は平均8.7週であり、手術期間・骨癒合期間とも逆行性K-wire固定術群のほうが有意に短かった。順行性K-wire固定術群の手術時間は平均47分、骨癒合期間は平均7.5週、プレート固定術群はそれぞれ73分、9.3週であり、手術時間・骨癒合期間とも順行性K-wire固定術群のほうが有意に短かった。
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