股関節疾患の治療 up-to-date
外傷の治療 大腿骨頸部骨折に対するanatomical large headを用いた人工股関節全置換術
福西 成男
1
,
福井 智一
,
西尾 祥史
,
藤原 勇輝
,
吉矢 晋一
1兵庫医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
大腿骨頸部骨折
,
認知症
,
肺炎-嚥下性
,
治療成績
,
股関節置換術
Keyword:
Dementia
,
Femoral Neck Fractures
,
Radiography
,
Pneumonia, Aspiration
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.213-217
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197593
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大腿骨頸部骨折に対するanatomical large headを用いた人工股関節全置換術(THA)の短期成績について検討した。対象は2008年9月~2009年8月までの1年間にAdept Modular Head(ADEPT)を用いてTHAを行った大腿骨頸部骨折25例(平均年齢74.8歳)で、骨折型はGarden分類でstage III:4例、IV:21例、術後経過観察期間は平均7.4ヵ月であった。1)周術期合併症は認知症発症とそれに伴う誤嚥性肺炎を1例に認められたが、深部感染や症候性の深部静脈血栓症は認めず、全例でカップ固定不良による弛み、移動、ヘッドの脱臼は認めなかった。2)カップ/ヘッド径は46/38mm~58/50mmであり、術後のX線像での外方開角は平均46.0°であった。3)術前に正座可能であった9例全例で術後も正座可能であった。4)同時期にセメント使用人工骨頭置換術(BHA)を行った25例と比較し、平均術中出血量はTHA群:240ml、BHA群:187.3ml、平均手術時間は各々80.2分、68.5分とTHA群で増加していたが有意差はなかった。尚、輸血はTHA群12例(48%)、BHA群13例(52%)と両群ともほぼ半数に行なわれていた。
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