発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175552
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初回人工股関節全置換術・人工骨頭置換術後のステム周囲骨折に対し治療を行った14例14関節(女、平均79.3歳)を報告した。原疾患は大腿骨頸部骨折8例、変形性股関節症5例、急性破壊性股関節症1例で、ステムはセメント固定6例、セメントレス固定8例であった。Vancouver分類はtype Aが2例、B1が3例、B2が5例、Cが4例で、type Aは骨折部の不安定性がなく、保存的治療とした。type B・CにはCable-Ready Plate Systemを用いて骨接合術を行い、Cable-Plateが10例、GTR-Plateが2例であった。受傷時にステムに弛みを生じたのはセメント固定1例、セメントレス固定4例で、いずれも骨折部を超える長さのセメントステムに再置換した。追跡期間6ヵ月~5年4ヵ月で、全例骨癒合が得られ、再骨折や再転位を生じた症例はなく、X線像でケーブル部分の皮質骨の菲薄化を3例、術後感染を1例認めた。日常生活動作は受傷前まで回復が11例、低下が4例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012