問題点の検討
認知症を有する大腿骨近位部骨折例への口腔ケアの有効性 周術期の肺炎ゼロをめざして
小村 孝二
1
,
池田 和夫
,
能崎 晋一
,
納村 直希
,
渡部 公正
,
内藤 充啓
,
小山 岳海
,
大森 隆昭
1国立病院機構金沢医療センター 整形外科
キーワード:
股関節部骨折
,
大腿骨頸部骨折
,
認知症
,
肺炎-嚥下性
,
発生率
,
治療成績
,
歯科予防処置
,
口腔ケア
,
治療までの期間
Keyword:
Dementia
,
Dental Prophylaxis
,
Femoral Neck Fractures
,
Hip Fractures
,
Pneumonia, Aspiration
,
Incidence
,
Treatment Outcome
,
Time-to-Treatment
pp.1061-1064
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015018769
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手術的治療を行った60歳以上の大腿骨近位部骨折患者516例(男104例、女412例、平均年齢81.6歳)を、口腔ケアを実施した認知症50例(口腔ケア認知症群:平均年齢86.2歳)、口腔ケアを実施しなかった認知症228例(非口腔ケア認知症群:平均年齢84.1歳)および口腔ケアを実施しなかった非認知症238例(非口腔ケア非認知症群平均年齢81.4歳)に分類した。各群おける肺炎発症数は、口腔ケア認知症群1例(2.0%)、非口腔ケア認知症群27例(11.8%)、非口腔ケア非認知症群4例(1.6%)であり、非口腔ケア群同士の比較では認知症群で有意に多く、認知症同士の比較では口腔ケア群が有意に少なかった。認知症を有する高齢の大腿骨近位部骨折患者に対し入院直後より口腔ケアを実施することは、誤嚥性肺炎の予防に重要であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014