股関節疾患の治療 up-to-date
腫瘍性疾患の治療 骨転移による大腿骨近位病的骨折に対する腫瘍用人工骨頭置換術の治療成績
倉都 滋之
1
,
伊村 慶紀
,
杉田 憲彦
,
仁井谷 学
,
濱崎 貴彦
,
城山 晋
,
蜂須賀 裕巳
,
信貴 経夫
,
安本 正徳
,
杉田 孝
1国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 整形外科
キーワード:
股関節部骨折
,
骨腫瘍
,
骨折-自然
,
大腿骨頸部骨折
,
大腿骨腫瘍
,
歩行
,
治療成績
,
股関節置換術
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Femoral Neck Fractures
,
Femoral Neoplasms
,
Fractures, Spontaneous
,
Gait
,
Hip Fractures
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.181-184
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197590
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骨転移による大腿骨近位病的骨折に対する腫瘍用人工骨頭置換術の治療成績を検討した。対象は1999~2009年までに治療した大腿骨近位病的骨折12例(男性9例、女性3例、年齢中央値73歳)で、術後経過観察期間は中央値9ヵ月であった。1)徳橋スコアによる予測予後は中期予後(3~5点)7例、長期予後(6~10点)5例であった。2)手術内容は顕性骨折では血腫を含めた辺縁切除、切迫骨折では骨膜のみをbarrierとした広範切除が行なわれ、手術時間は平均195.1分、術中出血量は平均1060.4mlであった。3)合併症は脱臼2例(術後3、4週)、全身的薬疹にMRSA感染合併1例が認められた。4)除痛効果は全例で鎮痛薬投与が不要となり、歩行能力は3例で自立歩行、5例で杖歩行が獲得でき、MSTSスコアによる患肢機能評価は全体で平均55.0%であった。5)全例で局所再発は認めず、最終時では腫瘍死10例、担癌生存2例、累積1年生存率は41.7%、2年生存率は33.3%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010