発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013026098
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過去5年間に大腿骨近位部骨折に対する手術を行った超高齢者症例124例(男性13例、女性111例:手術時年齢90-101歳)について検討を行った。その結果、術前待機日数は0-8(平均2.1)日、認知症は85例に認め、うち12例は術後新たに出現した。骨粗鬆症治療の内服治療を行っていたのは18例、他科での治療を要した術後合併症例は18例で、ADLは術前は独歩可能18例、杖歩行可能17例で、退院時は独歩可能2例、杖歩行可能4例であった。入院期間は14-129(平均34.6)日、退院後経路は自宅45例、リハビリテーション病院22例、介護施設52例、死亡退院5例であった。術前待機日数と術後合併症、死亡率に相関はなかった。新たに認知症症状が出現した症例は術前待機日数の延長を認め、認知症のない症例39例中25例が歩行能力を再獲得していた。以上より、術前待機日数の延長は認知症の増悪、ADLの低下につながるため早期の手術が重要であり、骨粗鬆症への積極的治療も重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012