経験と考察
肘関節脱臼骨折の治療経験 尺骨鉤状突起骨折の修復は全例に必要か
福田 誠
1
,
日高 典昭
,
横井 卓哉
,
太田 光俊
,
金城 養典
1淀川キリスト教病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ねじ
,
骨板
,
尺骨骨折
,
上腕骨骨折
,
靱帯損傷
,
X線CT
,
肘関節
,
橈骨骨折
,
軟骨
,
側副靱帯
,
治療成績
,
三次元イメージング
,
骨折-剥離
,
スーチャーアンカー
,
脱臼骨折
,
腱-骨付着部
,
骨軟骨移植
,
靱帯形成術
Keyword:
Fractures, Avulsion
,
Fracture Dislocation
,
Cartilage
,
Bone Plates
,
Bone Screws
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Ulna Fractures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Collateral Ligaments
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Suture Anchors
pp.105-111
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015182330
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肘関節脱臼骨折に対する外科的治療の臨床成績について検討した。対象は2008~2012年に成人の肘関節脱臼骨折に対して手術的治療を行った16例(男性9例、女性7例、平均43歳)とした。治療戦略として、鉤状突起骨折がRegan分類typeI・IIの場合はまず橈骨頭の骨接合と外側側副靱帯(LCL)の修復を行い、不安定性があれば、内側側副靱帯(MCL)修復、鉤状突起骨折の修復を追加する。また、Regan分類typeIIIの場合は不安定性や画像所見に応じてLCL、MCLの修復を行うこととした。その結果、受傷から手術までの平均期間は7日であった。骨折部位別に見ると、橈骨頭骨折は7例であった。骨接合の方法はスクリュー固定が2例、プレート固定が5例であった。骨接合については、Regan分類type Iは全例放置し、type IIは4例を放置し、1例は縫合糸アンカー固定、もう1例には肘頭近位部の骨軟骨移植による再建を行った。type IIIには、スクリュー固定、肘頭近位部の骨軟骨移植による再建をそれぞれ1例行った。術後、再脱臼や不安定性が残存した症例はなく、最終経過観察時の平均ROMは伸展-9°、屈曲134°、日本整形外科学会肘機能評価スコアは平均89点と良好であった。
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