関節周辺骨折 最近の診断・治療
膝関節 膝蓋骨骨折に対する骨接合術 新しい固定材料としてのポリエチレン編糸の有用性
四本 忠彦
1
,
松浦 幸男
,
内尾 祐司
1出雲市民病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
骨折
,
内固定法
,
膝蓋骨
,
膝外傷
,
膝関節
,
Polyethylene
Keyword:
Fracture Fixation, Internal
,
Knee Injuries
,
Knee Joint
,
Radiography
,
Patella
,
Range of Motion, Articular
,
Polyethylene
,
Fractures, Bone
pp.155-159
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044654
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骨接合術を行った膝蓋骨骨折患者15例15膝(男10例・女5例・平均58.3歳)の成績を報告した。骨折型は横骨折7例、粉砕骨折8例であった。手術手技は、関節鏡補助下に軟骨面を整復しながら膝蓋骨に径2.0mmのリング付き固定ピンを骨折線と垂直に2本平行に挿入した後、ループ状にした5号ポリエチレン編糸を2本、ピンのリングにそれぞれ通し、1本は膝蓋骨周囲に縫い込み、他の1本は膝蓋骨上に8字締結を行い、骨折部に圧迫を加えるように締結した。術後観察期間12~34ヵ月で、再骨折や固定材料に起因する術後合併症は認めなかった。骨癒合時期は平均3ヵ月、癒合時の膝関節可動域(ROM)は伸展0.7°~屈曲135.3°であった。骨癒合時の疼痛VASは平均0.9、抜釘時は0.4、Lysholmスコアはそれぞれ87.3点、94.5点であった。1例(36歳女)は両側反復性膝蓋骨脱臼の既往があり、両変形性膝関節症で健側にもROM制限があったが、患側ROMは健側と同等に回復した。
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