骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その1)
骨盤・下肢 膝蓋骨 超高分子量ポリエチレン製ケーブルを用いた膝蓋骨骨折に対する経皮的ワイヤリング
宇田川 和彦
1
,
高橋 正明
,
有野 浩司
1国立病院機構東京医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨折
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
膝蓋骨
,
膝外傷
,
治療成績
,
Ultra-High Molecular Weight Polyethylene
Keyword:
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Internal
,
Knee Injuries
,
Patella
,
Radiography
,
Treatment Outcome
,
Fractures, Bone
,
Ultra-high Molecular Weight Polyethylene
pp.118-122
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017077776
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比較的転位の小さい膝蓋骨骨折4例(男2例、女2例、平均年齢55.5歳)に対して施行した超高分子量ポリエチレン製ケーブルによる経皮的ワイヤリングについて、術式と手術成績を報告した。骨折形態はAO/OTA分類45-C1が2例、C2が1例、C3が1例であった。手術時間は平均26.3分であり、術後3ヵ月で全例骨癒合を認めた。最終経過観察時の膝関節の屈曲角度は、変形性膝関節症の既往があり受傷前屈曲角度が110°であった1例が115°、その他3例は140°であり、全例疼痛および内固定具の違和感はなく、自立歩行が可能となった。鋼線を用いた従来法と比較してケーブルはきわめて柔軟でありケーブルを通す際によれる心配がなく、ネスプロンケーブルシステムでは専用のタイティングガンを用いてケーブルを締結するため適切な強さで固定を行うことが可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016