関節周辺骨折 最近の診断・治療
肘関節 固定材料にポリエチレン混合糸を用いた肘頭骨折の引き寄せ締結法
野崎 健治
1
,
領家 幸治
,
桐田 由季子
,
西川 梅雄
,
内尾 祐司
1若草第一病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
尺骨骨折
,
肘関節
,
Polyethylene
Keyword:
Bone Wires
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Ulna Fractures
,
Range of Motion, Articular
,
Polyethylene
pp.50-54
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044635
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肘頭骨折に対するポリエチレン混合糸FiberWire(FW)を用いた引き寄せ締結法(TBW)の適応と手術手技、後療法を紹介し、同手術施行13例13肘(男6例・女7例・平均55歳)の成績を報告した。使用した鋼線はKirschner鋼線9肘(A群)、リングピン4肘(B群)で、骨折型は横骨折6肘、斜骨折7肘であった。術後観察期間3~18ヵ月で、全例良好な骨癒合が得られ、平均関節可動域は伸展-4°、屈曲131°であった。内固定材によると思われる著明な疼痛や皮膚障害は認めず、単純X線上でも骨折部の離開や偽関節形成の所見はなかった。鋼線の逸脱に関しては、術直後と最終観察時のX線側面像による計測値の差はA群平均2.84mm、B群1.09mmとB群で小さかった。以上、FWはTBW法に用いる固定材料として有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009