発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008330950
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膝蓋骨下極骨折7例7膝(男3例、女4例、年齢27~78歳)および小児のSleeve Fracture 1例1膝(男児、12歳)の8例に対し施行した膝蓋腱断裂の修復法を応用した治療法の成績と問題点を検討した。全例とも受傷後、早期に観血的整復固定術を施行した。術式は、非吸収糸(Fiber Wire)を用いて膝蓋腱にKrackow sutureを行い、膝蓋骨を長軸方向へプルアウトし強固に締結する方法を用いた。その結果、全8例とも明らかな骨折部の転位、縫合部の離開はなかった。後療法は術後1~2日より関節可動域(ROM)訓練を開始し、伸展位膝装具装着下に全荷重歩行を許可した。X線学的評価で最終調査時における骨癒合は全例良好であった。膝関節ROM 90度獲得までの期間は平均3.1週、自動伸展不全消失までの期間は、平均3.5週、側面X線像上で骨癒合と判定されるまでの期間は平均11週、最終ROMは130°~145°であった。本法は抜去が不要という利点があり、症例の選択により下極以外の骨折への応用も可能であると考えた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008