発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008236076
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膝蓋骨骨折に対する手術「ひまわり法」の力学的特性を検討するため、ポリウレタン製膝蓋骨模型で骨折モデルを作製し、周辺締結法(CW)および引き寄せ鋼線締結法(TBW)と比較した。ひまわり法は、ワイヤーホール付のピンを膝蓋骨周囲から刺入し、ケーブルをそこに通して周囲から締め上げ一塊として固定するものである。横骨折における引張試験で、ひまわり法ピン4本で固定したものは0°、60°、90°屈曲位のいずれも正常骨と同等の剛性を示したが、TBWでは正常骨の2/3程度で、CWはケーブルが外れて低値となった。ひまわり法ではピンの数(3~5本)に関わらず同様の剛性を示した。粉砕骨折に対しては、ひまわり法はピンの増数に従って正常骨の剛性に近づき、6本で同等となった。TBW+CWでは正常骨の1/3程度であった。また、ひまわり法でケーブルを破断させたところ、剛性は1/2程度となったが、ピンの数が多いほど剛性は高くなり、ピンの数が5本と6本ではTBW+CWよりも高い剛性を示した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008