経験と考察
手指近位指節間関節面に陥没を伴う中節骨基部骨折に対する掌側進入手術
土谷 正彦
1
,
小泉 雅裕
,
大塚 寛
,
荒井 勝光
,
保坂 登
,
祖父江 展
1新潟県立中央病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ねじ
,
骨ワイヤー
,
手指関節
,
骨折-粉砕
,
治療成績
,
体内埋込み具の除去
,
亜脱臼
,
Beta-Tricalcium Phosphate
,
関節授動術
,
中節骨
Keyword:
Bone Screws
,
Bone Wires
,
Finger Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Fractures, Comminuted
,
Device Removal
,
Beta-tricalcium Phosphate
pp.1321-1325
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015090926
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掌側進入手術を行った手指近位指節間(PIP)関節面の陥没を伴う手指中節骨基部粉砕骨折4例(男2例、女2例、平均25.3歳)の成績を報告した。手術は骨折部を展開して関節内に存在する陥没骨片を確認し、整復固定を行った。内固定には3例で皮質骨スクリューを用い、残り1例は掌側骨片が小さくスクリュー刺入が困難で、β-リン酸三カルシウムの充填による再陥没防止および掌側骨片周囲組織の縫着による安定化のみ行った。経過観察期間5~18ヵ月で、全例再転位を生じることなく良好な骨癒合を認めた。PIP関節の伸展制限は3例に認め、伸展-20°と比較的強い制限が残存した1例には術後7ヵ月に抜釘術と併せて関節授動術を施行した。この際も掌側進入法を用いたが、屈筋腱の癒着は軽微であり、短縮していた掌側板および副靱帯の切離のみ行い、伸展可動域は0°に改善した。%TAMは、同症例の関節授動術施行前が平均93.6%、施行後95.4%であった。
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