骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その2)
高齢者骨折 粉砕骨折における一期的人工関節置換
池田 純
1
,
富田 一誠
,
川崎 恵吉
,
久保 和俊
,
稲垣 克記
1昭和大学横浜市北部病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
上腕骨骨折
,
肘関節
,
骨折-粉砕
,
治療成績
,
症状評価
,
肘関節置換術
Keyword:
Elbow Joint
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Fractures, Comminuted
,
Arthroplasty, Replacement, Elbow
,
Symptom Assessment
pp.174-177
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017257828
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
高齢者の上腕骨遠位端粉砕骨折に対する手術法として近年、一期的な人工肘関節全置換術(TEA)が望ましいとする報告が欧米で散見され、当科でも70歳以上の患者には一期的TAEを行っている。今回、2012年9月以降に施行した10例の治療成績を報告した。男性2例、女性8例、手術時年齢は平均83歳で、術後のMayo Elbow Performance Scoreは平均95点、術後の平均ROMは屈曲128°、伸展-26°であった。代表例1例を提示した。一期的TEAには次のような利点がある。1)比較的短間で術後疼痛軽減が得られ、特別な後療法は必要なく自動運動が可能で、早期に日常生活へ復帰できる。2)インプラントを髄内にセメント固定するため、骨脆弱性の強い患者であっても後療法に大きな影響が出にくい。3)骨接合術のように手術を急ぐ必要がなく、予定手術として万全の体制で臨める。
©Nankodo Co., Ltd., 2017