発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009003481
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83歳女性。患者は歩行中の転倒で肘関節軽度屈曲位で右肘を強打し受診となった。X線では右上腕骨顆部前方に遊離した骨片が認められ、側面像では肘頭骨折を認めた。3-D CTでは前方に遊離した剪断骨片が近位方向に転移し、上腕骨小頭と滑車外側1/3を含んでいた。肘頭骨折を伴った上腕骨小頭骨折(Grantham分類type IIb)と診断され、受傷後7日目に肘頭骨折に対し引き寄せ鋼線締結法が行なわれ、上腕骨小頭骨折には骨片整復後にAcutrak Screwで内固定した。更に術後は副子固定を行い、7日目より肘装具装着で肘関節自動可動域(ROM)訓練を開始した。その結果、術後6ヵ月で骨折部の固定性は良好で安静時・運動時痛はなく、肘関節進展-20°、屈曲125°、回内75°、回外90°で、日整会肘機能評価基準では82点、Grantham評価基準ではgoodであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008