関節周辺骨折 最近の診断・治療
肘関節 橈骨近位端骨折に対する治療
寺浦 英俊
1
,
坂中 秀樹
,
五谷 寛之
,
小松 猛
,
姜 良勲
,
蔡 栄美
,
金城 紅子
,
妻鹿 良平
,
佐々木 康介
,
高橋 佳史
,
大西 隆
,
山野 慶樹
1清恵会病院大阪外傷マイクロサージャリーセンター
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨ねじ
,
骨板
,
MRI
,
靱帯損傷
,
X線CT
,
肘関節
,
橈骨骨折
Keyword:
Bone Plates
,
Bone Screws
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.43-49
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044634
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橈骨近位端骨折に対する手術適応と術前計画、手術手技、後療法を論述した後、手術的治療を行った31例(男16例・女15例・平均34.5歳)の成績を報告した。内訳は頸部骨折16例(A群)、骨頭骨折10例(B群)、頭頸部骨折5例(C群)で、Morrey分類はIIが13例、IIIが16例、IVが2例であった。経過観察期間3~24ヵ月で、29例は骨癒合が得られたが、A群とC群の各1例が偽関節となった。関節可動域(ROM)制限残存に対して4例で観血的関節授動術を行った。肘関節内側側副靱帯損傷合併13例(A群9例・C群4例)では、幼児4例を除く9例に修復術を施行した。最終的に肘関節の外反動揺性は認めず、3例で一過性の後骨間神経麻痺を生じたが、経過観察のみで消失した。平均肘関節ROMは伸展-3.4°、屈曲133.8°、回内78.9°、回外86.0°、JOAスコアは平均94.0点、Wheeler評価はexcellent 18例、good 5例、fair 6例、poor 2例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009