関節周辺骨折 最近の診断・治療
肘関節 高齢者(70歳以上)における上腕骨遠位端骨折に対する治療と問題点
池田 登
1
,
関 寿大
,
石部 達也
,
小谷 博信
,
上尾 豊二
1玉造厚生年金病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨板
,
上腕骨骨折
,
肘関節
,
治療成績
,
人工関節
,
関節置換術
Keyword:
Bone Plates
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Joint Prosthesis
,
Radiography
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement
pp.32-37
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044632
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高齢者上腕骨遠位端骨折19例(男2例・女17例・70~95歳)の治療成績を報告した。骨折型はAO分類A2-3の通顆骨折17例、C1-3が1例(開放骨折)、C3-1が1例で、初期治療法はギプス固定による保存的治療が6例(A群)、観血的治療が13例(B群)であった。経過観察期間5~62ヵ月で、A群のうち2例には骨癒合が得られ、平均肘関節可動域(ROM)は伸展-55°、屈曲110°であった。他の4例は経過中にCoonrad-Morrey半拘束型人工肘関節全置換術を施行し、全例とも人工関節の弛みはなく、平均ROMは伸展-45°、屈曲136°であった。B群ではダブルプレート法を5例に行い、最終時の平均ROMは伸展-30°、屈曲113°であった。2005年以降の8例にはONI Transcondylar Plateに内側中空スクリューを併用し、全例骨癒合が得られ、平均ROMは伸展-12°、屈曲125°であった。全例で神経麻痺、感染、異所性骨化、インプラントの破損などの合併症は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009