創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
先天異常に対する適応と成績 軽症型骨形成不全症患者の変形・脚長差に対する創外固定術併用の有用性
富沢 仙一
1
,
浅井 伸治
,
斯波 俊介
,
徳間 健太郎
1群馬県立小児医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
脚長不等
,
骨形成不全症
,
髄内固定法
,
再手術
,
Ilizarov法
Keyword:
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Leg Length Inequality
,
Osteogenesis Imperfecta
,
Radiography
,
Reoperation
,
Ilizarov Technique
pp.163-167
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181721
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10歳女。生下時に3ヶ所の骨折を認め、青色強膜、歯牙形成不全より骨形成不全(Sillence分類type I-B)と診断され、その後計17回の骨折歴があった。9歳時に転倒で左大腿骨を骨折し、保存的治療を受けたが変形が増大して不全骨治癒を認め、脚長差を生じた。左股関節は外転拘縮し、姿勢性側彎、左大腿骨の前外方凸の彎曲を認め、脚長差は8cmであった。アライメント再建のため二期的手術を計画し、まず左股関節外転拘縮観血的授動術と、Ilizarov法による変形漸時矯正を行った。4週間後に左大腿骨の変形矯正が得られ、股関節-膝関節間は22cmから27cmに伸びた。2回目の手術でIlizarov創外固定器を除去し、大腿骨観血的固定術を施行した。創外固定器を外すと大腿骨は骨切り部で異常可動性があり、偽関節様所見を呈した。Telescopic Rodによる髄内釘固定を行い、固定性は良好であった。術後8ヵ月経過し、脚長差は3cm残存しているが、変形は改善し、骨癒合は良好で、走行も可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009