創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
関節疾患に対する適応と成績 島根大学式創外固定による変形性膝関節症の治療
熊橋 伸之
1
,
岩佐 潤二
,
内尾 祐司
,
山上 信生
,
越智 光夫
1島根大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
外固定器
,
骨切り術
,
大学病院
,
治療成績
,
変形性膝関節症
,
創外固定法(骨折以外)
Keyword:
Hospitals, University
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Treatment Outcome
,
External Fixators
,
Osteoarthritis, Knee
pp.159-162
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181720
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変形性膝関節症(OA)に対し島根大学式創外固定器を用いてドーム状高位脛骨骨切り術を行った32例34関節(男9例・女23例・平均61歳)の成績を報告した。適応は内側型OAで疼痛が膝内側に限局し、保存的治療に反応せず、X線で外側大腿関節裂隙の狭小化を認めない症例とした。創外固定器の装着期間は10~18週であった。術後経過観察期間2年~8年9ヵ月で、JOAスコアは術前平均65.7点から81.1点となり、疼痛・歩行能、疼痛・階段昇降能が有意に改善していた。膝関節可動域は、伸展が術前平均-4.1°から-5.9°、屈曲が122.3°から125.9°、大腿脛骨角は立位181.1°から169.0°、臥位179.9°から168.3°とそれぞれ有意に改善した。術後合併症は、ピン刺入部の表層感染を2例に認めたが、総腓骨神経麻痺や長母指伸筋力の低下、骨切り部の偽関節やコンパートメント症候群はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009