創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
骨折後変形治癒に対する適応と成績 重度の足関節変形に対するIlizarov創外固定器を用いた二期的矯正術の試み
門野 邦彦
1
,
田中 康仁
,
高倉 義典
1宇陀市立病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
再手術
,
足関節
,
Ilizarov法
,
関節変形-後天性
Keyword:
Ankle Joint
,
Radiography
,
Reoperation
,
Joint Deformities, Acquired
,
Ilizarov Technique
pp.133-136
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181717
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76歳女。階段から転落して足関節ピロン骨折を受傷し、観血的整復固定術を施行されたが、術後早期に関節面の圧潰を生じ、感染性偽関節となった。当科初診時は受傷後10ヵ月経過しており、脛骨下端には骨欠損を生じ、足部は内反変形および前方亜脱臼、腓骨は後方凸変形を認めた。足関節の温存は不可能と考え、関節固定術を治療のゴールと設定したが、一期的な変形矯正は危険を伴うため、Ilizarov創外固定器による外固定で緩徐に変形矯正した後、固定術を行うものとした。内反のみ矯正した肢位でIlizarov創外固定器を装着し、短縮矯正のため脛骨側と足部のフレーム間を延長ロッドで連結した。8日間で矯正が得られ、さらにフレームを組み替えて亜脱臼の緩徐矯正を8日間行った。その後10日間の待機期間をおき、前方から腸骨移植と後方から腓骨をプレートとして用いた足関節固定術を施行した。術後4ヵ月で骨癒合を認め、1年8ヵ月経過して蹠行性の足が得られ、疼痛なく歩行可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009