創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
先天異常に対する適応と成績 先天性下腿偽関節症に対する血管柄付き腓骨移植後の仮骨延長の検討
小畠 康宣
1
,
矢島 弘嗣
,
前川 尚宜
,
玉井 進
1奈良県立医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
外固定器
,
下腿
,
偽関節
,
腓骨
,
仮骨延長法
,
血管柄付き骨移植
,
骨癒合(骨折治癒以外)
Keyword:
Fibula
,
Leg
,
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
External Fixators
,
Osteogenesis, Distraction
pp.168-173
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181722
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血管柄付き腓骨移植術を行った先天性下腿偽関節症23例のうち、9例(男6例・女3例・平均15.2歳)に脚長差に対する延長術を計10回行った。脚長差は移植術後3~15年で3.5~13cm生じ、使用した創外固定器はOrthofix 5回、Ilizarov 5回であった。骨切りを移植腓骨部で行ったのは7例、移植部以外の残存脛骨部で行ったのが3例であった。3例に延長部の仮骨成熟不良を認めて追加骨移植を行い、2例は移植時にプレート固定へ変更した。また、1例が早期骨緻密化のため再骨切りを要した。最終的な骨延長量は3.5~7.5cmで、創外固定器装着期間は155~377日、external fixator index(EFI)は31~94.3日/cmであった。EFIが50日/cm以上の3例は既往手術回数が平均6.3回で、50日/cm以下7例の2回に比較して多かった。EFI 50日/cm以下群と以上群で、骨切り部位によるEFIの差はなかった。経過中1例にピン刺入部感染を来たしたが、抗生物質使用で鎮静化した。アキレス腱延長術は2例に要した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009