特集 小児整形外科-新たな治療法の導入-
小児下肢先天異常の治療 ヘキサポッド創外固定器(TAYLOR SPATIAL FRAMETM)を用いた治療
金 郁哲
1
,
西田 敦士
,
吉田 隆司
,
和田 浩明
,
岡 佳伸
1宇治武田病院 小児運動器・イリザロフセンター
キーワード:
内軟骨腫症
,
X線診断
,
外固定器
,
脚長不等
,
関節可動域
,
偽関節
,
機器のデザイン
,
脛骨
,
血管腫
,
骨切り術
,
内固定法
,
MRI
,
X線CT
,
脳性麻痺
,
腓骨
,
Ilizarov法
,
仮骨延長法
,
三次元イメージング
,
下肢形態異常-先天性
,
アラインメント
,
下腿外捻
,
骨移動術
Keyword:
Cerebral Palsy
,
Equipment Design
,
Fibula
,
Fracture Fixation, Internal
,
Enchondromatosis
,
Hemangioma
,
Leg Length Inequality
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Tibia
,
Range of Motion, Articular
,
External Fixators
,
Ilizarov Technique
,
Osteogenesis, Distraction
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Lower Extremity Deformities, Congenital
pp.627-643
発行日 2017年6月19日
Published Date 2017/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017261401
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
小児の下肢先天異常には,原因不明な過成長や 成長障害による下肢長差や変形が多い。疾患が明 らかな過成長(Klippel-Trenaunay-Weber症候群) や,成長障害(Russel-Silver症候群)のほか,生下 時から存在する脈管系腫瘍(リンパ管腫,血管腫), 遺伝性の多発性骨軟骨腫症,Ollier病,線維性骨 異型性症,先天性下腿弯曲症,先天性下腿偽関節 症,骨形成不全症,軟骨無形成症,腓骨列形成不 全症,脛骨列形成不全症,Blount病,二分脊椎に よる下肢・足部変形,脳性麻痺による下肢変形な どがある。 これらの症例に対して単純な変形矯正や脚長補 正では単支柱型,リング型(イリザロフ)の創外固 定器で治療を行ってきた。しかし,足部の複雑な 変形や回旋変形を伴う変形の場合には従来のイリ ザロフ法では煩雑な組み換えが必要で,そのよう な症例には2007年からヘキサポッド型の TAYLOR SPATIAL FRAMETM(TSF,Smith& Nephew社)を用いている(図1)。本稿では,小児 期に発症し治療を小児期だけでなく,成人になっ てから行った症例も含めて,そのTSFによる治療 法と問題点について紹介する。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.