発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006153667
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背側転位型橈骨遠位端骨折の26例26関節(全例女性,右13関節左13関節)を対象とし,アンロッキングプレート(ULP)およびロッキングプレート(LP)を使用した掌側プレート固定術を行い,術後整復位保持について比較,検討した.受傷時年齢はULP群が平均70(57~80)歳,LP群が平均72(64~80)歳であった.これらのX線学的計測値,すなわちvolar tilt(VT),橈骨端尺側傾斜(RI),ulnar variance(UV)を初診時,術直後,最終時で比較した.その結果,LP群では術直後の整復位が最終時まで保持できたが,ULP群では保持できなかった.また,合併症はULP群で3関節に遠位螺子の弛みを認めた.LPでは遠位骨片に対する螺子の固定性が期待できない場合,ロッキング機構を備えたバットレスピンに変更することにより軟骨下骨支持による安定性が得られ,術後再転位が防止できた.68歳女(ULP症例,AO分類C2),80歳女(LP症例,AO分類C2)の2症例を提示した
©Nankodo Co., Ltd., 2006