発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013200738
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61歳女。40歳代にバセドウ病を発症し、約5年間チアマゾールを内服し寛解していた。今回、甲状腺中毒症を認め、バセドウ病の再燃が疑われチアマゾールを開始したが、検査所見より甲状腺クリーゼが疑われた。また、洞性頻脈に対しプロプラノロール10mgを静注後に救急搬送された。甲状腺クリーゼと診断し、チアマゾール20mgを6時間ごとに経静脈的に投与し、ヒドロコルチゾンを投与した。続いて無機ヨードを投与した。頻脈に対し、プロプラノロールの経静脈的間欠投与を行った。入院2日目に症状は悪化し、意識レベルは低下、昏睡となり、低拍出性心不全を呈したため人工呼吸管理を行った。頻脈是正のためランジオロールの持続静注を、脈拍100bpm未満を目標に10γまで増量維持した。入院3日目に洞性頻脈から頻脈性心房細動を呈したが、除細動により洞調律まで回復した。脈拍のコントロールに従い血圧維持も可能となり、駆出率の改善も認め、循環動態が安定し、入院5日目にランジオロールをプロプラノロールの持続静注へと切り替え、入院6日目に抜管した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013