発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005130158
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36歳女.9ヵ月前にバセドウ病と診断され,抗甲状腺薬を処方されたがコントロール不良で経過中に発熱,頭痛,嘔気が出現した.血清FT3,FT4は測定限界以上,TSHは感度以下で,TBII,TSAbは高値を示した.血清免疫学的検査では2,5-ASの上昇を認めた.ウイルス感染によって発症した甲状腺クリーゼと考え,十分な補液を行うとともに抗菌薬,抗甲状腺薬,βブロッカー,hydrocortisoneなどの投与を開始した.発熱は速やかに改善したが,頭痛と嘔気は遷延し,さらに項部硬直も認めるようになった.髄液検査でウイルス性髄膜炎の所見を認めたためglycerinとaciclovirの投与を行ったところ症状は改善し,検査所見も正常化した
©Nankodo Co., Ltd., 2005