発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017380373
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症例は77歳性で、両手指振戦が出現した。腹痛が出現し、腸閉塞の診断で入院し、同日に呼吸苦が出現した。心房細動および心拡大を認め、急性心不全と診断した。甲状腺機能亢進症も認めた。翌日に意識障害および呼吸苦が増悪した。甲状腺超音波検査所見、FT4高値、TSH低値、TRAb陽性所見よりBasedow病と診断した。意識状態悪化、頻脈、心不全を認めたことから甲状腺クリーゼ診断に基づいて確実例と判断した。MMI(thiamazole)、ルゴール、β-blocker、hydrocortisoneで加療を開始し、第7病日には甲状腺機能の改善を認めた。甲状腺機能の改善とともに血小板数の回復も認めた。心不全に対しては利尿薬(furosemide)、心房細動に対してはwarfarinを投与し、循環・呼吸状態は比較的速やかに改善した。中枢神経症状の改善も認め、リハビリ継続目的に第24病日に転院した。
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