発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010028531
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26歳女性。患者はバセドウ病に対するPTU投与中に褐色尿が出現し、血液生化学検査にて高度の肝障害を認め、入院となった。入院時検査ではA型、B型、C型のウイルス性肝炎は否定され、抗核抗体×640、MPO-ANCA陽性が認められたが、腹部画像上では異常所見はみられなかった。以上より、本症例はPTUによる薬剤性肝障害が疑われ、PTUを中止したところ、肝障害は正常化した。一方、バセドウ病に対してはアイソトープ治療が行なわれ、甲状腺機能の正常化がみられた。その後の経過でMPO-ANCA、抗核抗体は次第に低下、正常化し、抗核抗体はPTU中止により漸減したことから、薬剤誘発性ループスの併発が疑われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009